生命の担い手 3

大部分のタンパク質は、20種類のアミノ酸からできています。


DNAを構成する塩基群は化学的にかなりよく似ていますが、タンパク質中のアミノ酸は多様であり、同じような化学環境下において、さまざまな反応を示します。


20個のアミノ酸を集めて短い鎖をつくる場合も、無数といえる組み合わせがあり、できあがった鎖は、それぞれ異なる独自の化学特性を示すでしょう。


これは、構成要素であるアミノ酸の化学的諸性質が変化に富んでいるからです。


したがって、莫大な数のタンパク質分子が存在することが考えられ、それらは同様に、きわめて多様な化学的特性を示すでしょう。


多様な化学的特性をもっているタンパク質ではありますが、DNAとは異なり、自己複製能力はありません。


そのため、新しいタンパク質分子が必要になったときには、いちいちそれをつくらなければなりません。


タンパク質が単にアミノ酸の長い鎖であり、順序かまわずアミノ酸が連結したものであれば、話は簡単です。


しかしそうではありません。


タンパク質の化学的諸性質は、どのようなアミノ酸がどんな順序で結合しているかによって決まっているのです。

生命の担い手 2

タンパク質は、生命にとって必要不可欠な構成物質の1つです。


タンパク質が細胞中で活動しなければ、情報を満載した核内のDNAは何の役にも立ちません。


利用者のいないほこりをかぶった資料図書館というべきものになってしまうのです。


・・・といっても、タンパク質もやはりDNAに依存しているのです。


というのは、これから見ていくように、それぞれのタンパク質がつくり出される仕組みを厳重に支配しているのが、DNAだからです。


つまり、生命という分子機械の精髄を構成する不可分な2つの要素、それがタンパク質とDNAなのです。


タンパク質の姿タンパク質とDNAは、どちらも小さな単位物質が鎖状に結合した大きな分rという点で似ています。


タンパク質の鎖を構成する1つひとつの輪はアミノ酸であり、それが「ペプチド結合」という特殊な化学結合によって連結されています。


ですから、きわめて小さなタンパク質といえるアミノ酸の短い鎖をしばしは「べプチド」と呼び、タンパク質の本体といえるアミノ酸の長い鎖を「ポリペプチド」と呼ぶこともあります。

生命の担い手

1人の人間全体を調べるよりも、1個の細胞を研究する方が楽なものです。


また、赤毛を研究するよりも、1個のDNA分子を調べる方が容易です。


これまでに、単細胞生物である細菌を対象とする研究から、細胞に関する多くの知見が得られています。


DNAには、塩基の配列の中に暗号化されている情報を実際の活動に移し換える特殊な機構があるにちがいありません。


人は誰でも頭を使えばヤシの実を割ることができます。


・・・とはいっても、その表現は、言葉通り頭で割るという意味ではありません。


それと同様に、細胞でも、核内に存在する設計図保管庫が直接作動して、細泡にとって必要な数限りない活動を行っているのではありません。


核の支配はもっと間接的です。


核は、骨や眼や毛といったものをつくるうえで、DNAよりももっと都合のよい分子を生み出すための情報を提供するのです。


このような分子の中で最も際朔っているものは、タンパク質です。

始業時間ギリギリに飛び込んできたときは 2

したがって、職場の労使のルールにもよりますが、9時に入門していても、職場に着くのが9時過ぎということでは、遅刻という扱いもあるのではないでしょうか。

また、着替えの時間ですが、着替えのなかには上着を着るだけといった場合から、会社の定めた作業服・安全靴・安全帽等の着用といったものまでいろいろな形態があります。

そして、これらの着替え等の時間についても、就業規則・労働組合との協定・労使間の長年の慣行といった一定のルールに従うことになります。

もつとも、着替えについては、使用者が制服の着用を義務付けたり、あるいは作業遂行上安全のために法律によって着用が義務付けられていたりします。

労働者がこれに反して正しく着用しなければ義務違反として懲戒処分になるようなものであれば、それは作業に必要不可欠な準備として労働時間となることもあります。

(三菱重工業長崎造船所事件 福岡高裁判決 平7・3・15)

この裁判例では、作業服、安全保護具の着用時間を労働時間としました。


しかし、たんに着替えるだけではなく、更衣室で髪や化粧を直したりすることは、使用者の義務付けでも法律による強制でもありませんから、労働時問とはいえません。

そこで、始業の9時ギリギリになって会社に飛び込んできて、それからあわてて更衣室に入って、着替えに要する常識的な時間以上、更衣室にとどまっているような場合には、始業の9時に社内に飛び込んでいたとしても、遅刻になりうることを注意すべきでしょう。

始業時間ギリギリに飛び込んできたときは

会社の始業時間の9時前には入門しているものの、会社構内が広いため、職場に着くと9時をすぎている。

あるいは、9時には事務所についているけれど、それから制服に着替えて髪や化粧を整えるために更衣室に入り、9時10分頃にならないと自分の机に向かわない。

・・・こういう社員がいます。

このような揚合、入門時(会社の構内に入ったとき)を労働時間の起算点として、とにかく9時には会社構内にいたのだから遅刻とはならないのでしょうか。

どこを労働時間の起算点とするかは、それぞれの会社の就業規則や労働組合との協定、あるいは長年の労使の慣行といった一定のルールにしたがって定められています。

ただ、労働時間は「使用者の指揮命令に服して労務提供する時間」。

構内を歩行する時間は、ゆっくり歩こうが、同僚とおしゃべりしながら歩こうが、また、ギリギリになって走っていこうが(この行為自体危険ですから注意すべきですが)構わないわけで、この歩行時間が使用者の指揮命令下にあるものとはいえないでしょう。

実際の労働時間とは 2

次に、「労務を提供している時間」といっても、この中には現実に作業をしている時間だけではなく、使用者の命令があればすぐに作業ができるように待機している時間や、作業の前後に必要な整理整頓などが含まれます。

そこで、これらを整理すると次のようになります。


労働時間

 ・実作業時間・・・実際に作業している時間

 ・手待ち時間・・・就労のための指揮命令下にあり、業務遂行のために待機している時間

 ・準備・整理整頓・・・作業に必要不可欠な準備整理時間


ところで、「使用者の指揮命令に服した労務の提供」ですが、「労務の提供は使用者の明示又は黙示の指揮命令に従ったものでなければならず、これに反する労務を提供しても、債務の本旨に従った労務の提供とはいえない」(水道機工事件 東京地裁判決昭53・10・30)とされています。

なので、使用者の指揮命令に従わない、自分勝手な作業をした場合には、使用者がこれらの作業や労働を受領する義務はなく、そのような勝手な労務提供に対しては賃金請求権は発生しません。

しかし、使用者の指揮命令に違反した労務の提供でも、使用者が異議を述べないとその労務の提供を黙認したことになりかねません。

使用者としては命令違反の労務の提供の受領を拒否し、なすべき業務を明示しなればなりません。

実際の労働時間とは

労働時間とは、一般に「労働者が使用者(企業)の指揮命令に服し労務を提供している時間」です。

この「指揮命令に服している」とは、明示的なものである必要はなく、黙示の指揮命令を含むものです。

なので、労働者の方からの申し出によって上司が労働を許可した場合や、上司が黙認した場合も含まれます。

ところで、勤務時間について「朝9時から午後5時まで、休憩1時間」といった場合、この休憩時間は、使用者の指揮命令下にはなく労働から解放されている時間です。

そのため、労働時間ではありません。

そこで、これらを整理すると次のようになります。


拘束時間

 ・労働時間・・・使用者の指揮命令下にあり、自由に利用できない時間

 ・休憩時間・・・労働の途中で権利として労働から離れられる時間

 ・その他の自由時間・・・組合活動、私用外出等使用者の指揮命令下にない時間


年末になってパート社員が休みだしたときは 2

そのため、このような場合に、パート社員本人から、これ以上パートの収入が増えても、世帯全体の収入が増えないから(場合によっては減るから)、予定額をオーバーした賃金は翌年度に繰り越してほしい・・・

それができないなら今年度いっぱい休ませてほしい、といわれることもあります。

しかし、賃金の支払い方法について、労働基準法は以下のように定めています。

「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。

ただし・・・(2)賃金は、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。」(同法24条)


すなわち、賃金は、最低1月に1回は本人に支払わなければならないわけです。

全く就労していなければ別ですが、実際にその賃金支払日に相当する賃金の締めの期間、働いているのに、翌年度まで繰り越して支給することはできません。

賃金を受け取るパート社員本人がこのような賃金支払いの繰り越しを認めたとしても、労働基準法に反した賃金の支払い方法が許されることにはならないでしょう。

だからといって、年末の繁忙期にパートに休まれても困るわけですから、パートの勤務について、収入と勤務との調節を図ることも大事な労務管理ということになります。

年末になってパート社員が休みだしたときは

パート社員のなかには、配偶者(多くは夫)が税法上の配偶者控除が受けられる範囲内の年間収入に抑えたい・・・

あるいは配偶者の会社の家族手当が支給される範囲内で働きたい・・・という場合(多くは家庭の主婦)があります。

たとえば、家庭の主婦であるパートの年間収入が、103万円を超えれば、本人の収入に税金がかかるため、手取額は増えず、さらに103万円を超えることによって、夫も税法上の配偶者控除が受けられません。

さらに配偶者控除の対象であることが夫の会社の家族手当支給の要件となっていれば、家族手当の支給も打切りとなります。

パートで余計に働いても、世帯全体の収入が増えないということがあるからです。

そのため、事前にパート社員と会社とで勤務日、勤務時間、時給等から年間の収入を算出し、その範囲で働いてもらうということになります。

ところが、人手がないこともあり、パート社員も熱心に働いてくれることもあって、パートに時間外・休日労働を命じたり、あるいは、会社の業績が好調なことから、パートの賞与も当初予定より増えたこともあって、その結果、年度半ばにしてパート社員の予定収入に達してしまうことがあります。

正社員とパート社員の賃金の差は 2

正社員とパート社員では、レジの仕事をしているときには、そこだけ見れば全く同じ仕事かもしれません。

しかし、正社員はこれからスーパーの幹部社員となるための、いわゆるOJTとして一定期間レジの仕事に従事しているものなのです。

今後はその経験を生かして会社全体を視野に入れて、出店・退店計画、売れ筋商品の確保、店内のレイアウトの決定。

あるいは人員構成の決定等の諸業務を習得していくものであって、レジの仕事を正確にこなしていれば正社員としての職務を十分遂行しているとはいえないこともあるでしょう。

そうだとしますと、一見同じ仕事のようにみえても、その職務の意味するところは異なっているわけです。

したがって、正社員とパート社員については、外見上は同じ仕事でも賃金に差が出てくることになります。

もっとも、正社員とパート社員との区別があっても、一定の時期における労働だけではありません。

実態は長期にわたり勤務内容、責任権限、教育研修、異動の有無等が全く同一であるにもかかわらず、正社員とパートという契約内容、つまり賃金体系の違いだけで賃金に差がある場合・・・

これが公序良俗に反するとして、その差額の支払いを命じた裁判例もあるところです(丸子警報器事件 長野地裁上田支部平8・3・15)。

同事件においては、パートの賃金が正社員の8割に達しない場合にその差額の支払いを命じられています。

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